音楽は、部屋で垂れ流すより、
街でとつぜん耳にするほうがいい。
そのときの空気、感情、風景・・・いろんなものと混ざり合って、響くから。
だから、
ただCDで聞いてると、別にふつう、だったりするのに
映画のある場面で、ふと流れてくると、ものすごくドキッとしたりする。
『あなたになら言える秘密のこと』という映画の中に
どしゃぶりの雨のシーンがあります。
それぞれ心に痛みを抱えながら、それぞれのひとが、いつもと変わらない、
それぞれの一日を過ごしている。
外はものすごい雨、雨、雨。
その雨の音に重なって流れるのが、
Antony and the Johnsonsの“Hope There’s Someone ”。
かなしくてやさしくて、本当にうつくしい曲だと思った。
わたしはこんなに、雨の音に似合う音楽があることを、知らなかったです。